2006年のマーケットで注目される
素材、デザイン、カラー及び釦・付属をモデル着用で紹介し、
ニューヨーク・東京の最新情報を解説するセミナーが開催されました。

恒例になったNEW YORKのマーケット視察でしたが、日本へのバナナリパブリックの進出、またユニクロのニューヨーク1号店、45RPMの2号店オープンなど、出発前からの話題の豊富な前触れもありました。気候が穏やかで朝晩には初秋の気配も感じました。ニューヨークコレクションのシーズンでもありデパート等に行くとそれらしき業界の方を多く見かけた感じです。

本題に入りますが、ユニクロはソーホーにありこじんまりと20坪程度のショップで什器もシンプルに纏められていました。プライスはデニムが割高で、カシミアのセーター等は日本とほぼ同額で販売されていました。ネットで告知しての宣伝であったようですが、日本の商品価値の高さはニューヨークでは大きく評価されているようであります。値段ではなく商品付加価値をニューヨークで展開しようと考えているのであれば成功と言えるのではないでしょうか。

一方、日本でのバナナリパブリックオープンは9月1日銀座店を皮切りに、六本木、日本橋、横浜と1ヶ月に4店舗に至りました。商品は日本オリジナルの品質、デザイン、サイズ展開で繊細で見る目の高い日本人向きにモノづくりをして反響もいいようであります。例えばネクタイが50ドル強のものを9,000円で販売、デニムは日本の生地をロスで加工して逆輸入して19,000円で販売、現地では90ドルなので倍近い値段であります。30歳を中心とした年代をターゲットにGAPよりひとクラス上の商品展開であり、過去のアメリカのブランドと違ったモノづくりは日本のマーケットで受け入れられる予感がします。

今回のニューヨークでキーワードが幾つか探れました。
まず最初に商品感度が上がってきたことであります。ボタンなどの付属品の使い方が大切ですよと、私が言っていた事が今シーズンマーケットで実証されていたように思えます。ミリタリーというトレンドも影響してつや消しのメタルボタンが店頭で多く見られるようになっている事もその一つです。アルマーニ E/X のなどはボタンをコンセプトにした展開で、売り切れ商品も出るくらい好調でした。今後ますますその流れは強くなる気配です。

デニムマーケットは二極化に進んでいます。ノンウォッシュ・ワンウォッシュのきれいなデニムか、ビス、刺繍などここまできたかと思われるデニムかということです。日本ではこの中間で動いているように思えます。シルエットもスリムか、ワイドタイプのバギーかということです。これが日本のマーケットにどう影響するかですが、きれいめデニムは影響大と考えていいでしょう。

大人のおしゃれ(30歳代〜40歳を中心)がますますマーケットでパワーアップして来ています。プーマ、アディダスなどのスポーツブランド台頭はますます目を離せなくなっています。

講師プロフィール
<田中智之氏>
宝塚造型芸術大学産業デザイン学部卒業後、デザインルームヒロセ入社。20年間ファッションデザイナーとして活躍し専門紙に執筆。MFU(社団法人日本メンズファッション協会)ファッション審議委員、NDK(社団法人日本デザイン文化協会)大阪支部長などの要職をこなし、倉敷紡績(株)、東邦テキスタイル(株)、(株)ムトウの顧問として活躍する一方、年2回以上、定期的に訪米、アメリカのファッション業界に精通している。